池本身上監護事務所ブログ

2016.06.09

孤独感を和らげるには、ネットではダメ?

 おはようございます。


今日は「孤独を和らげるにはネットではダメ?」

ということについてお話しようと思います。




オレゴン健康科学大学のアラン・テオ助教授らが発表した研究結果によると、

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人の孤独感をやわらげ、うつや慢性疾患を防ぐためには、

電子端末越しではなく、

顔を直接合わせる形のコミュニケーションが必要……(略)


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ここでは、

「無人島に1人残され、

食欲・睡眠欲などの基本的欲求は満たされた状態で、

人とのコミュニケーションはモバイル端末越しのみに制限された時」

と条件が付いているのですが、

一見、「無人島なんて非現実的じゃないか」と

思ってしまいませんか?
最初、私も??となりましたが、
この条件、このように言い変えることができるのでは。
それは、

「実家に引きこもって、

親からの援助があり、働く必要が無く、

ネットやSNSが趣味の人」

いかがですか?
非現実的どころか、最近ではよくある光景ではないでしょうか?



他者とコミュニケーションを取らない状況ならば、

都会に暮らしていても、無人島にいるのと変わらない

ということです。




過去の研究で多くの心理学者が、

うつ・慢性病・早期の死を引き起こすカギは、

友人や家族に拒絶されたり無視された時の感情、

つまり「孤独感」にあるということを明らかにしてきました。

しかし、中年期・壮年期にある人が孤独を感じる割合は、

1970年代には14%であったのに対し、

今や40%にまでふくれあがっています。


「スマートフォンやタブレットといった電子端末は、

孤独が広まる社会の解毒剤として機能する」という点は

多くの心理学者が同意するところですが、

一方で、人間にとって重要な「よりどころがある」という

本能的な感覚は、仮想体験によってもたらされるのか、

という点にはこれまで疑問が残っていました。


テオ助教授らが2015年10月に

Journal of the American Geriatrics Societyに発表した論文によると、

さまざまなタイプのコミュニケーションのうち、

実際に顔と顔を合わせるコミュニケーションだけが、

壮年期の人のうつのリスクを未然に防げるということが判明。

電話によるコミュニケーションは気分障害と診断されたことがある人の

将来的なうつのリスクに対して影響がありましたが、

その他の人に対しては影響を与えず、

またメールなどテキストによるコミュニケーションは

調査の対象者にまったく影響を与えていなかったとのこと。


この時、友人や家族にどのくらいの頻度で会うのかも

うつ病を引き起こすカギとなっており、

同じ場所に居合わせて顔を合わせる頻度が高いほど、

将来的にうつになる可能性が少なくなるということも判明しています。


すなわち、調査対象となった人々のうち、

子ども・友人・家族などと数カ月に1度しか会わない人は

病気になる割合が最も高く、

反対に、少なくとも週に3回はこれらの人と実際に顔を合わせる、

という人が最も病気になる割合が少なかったとのこと。

さらに、50~70歳の人は友人と面と向かってコミュニケーションを取るのがよく、

70歳以上の人は家族と直接顔を合わせることが最も重要であることもわかっています。

「より多く人と実際に顔を合わせれば、よりよく生きることができます」と

テオ助教授は語っておられます。



要約すると、

・ネットでは、孤独感は和らげることは出来ない。

・メールやテキストベースの対話は、うつ病予防に効果なし。

・直接的な対人コミュニケーションを行うと、病気になりにくい。

ということになります。



一人でいる時間も大事ですが、

ずっと一人でいるのは、健康的にも良くありません。

しかし、家族や友人と急に親密な関係になるというのも

現実的ではありません。

高齢者の方や、障害者手帳等を交付されている方は、

通所施設などで支援者の方々と接する機会も

あるかと思いますが、

社会には、そうではない方も多くいらっしゃいます。

そういった方の為に、

私を含め、

身上監護アドバイザーは働きかけていかなければならないと、

この研究発表を見て、改めて考えさせられました。



もし、お一人で孤独を感じられている方がいらっしゃれば、

お問い合わせは無料ですので、お気軽にご連絡ください。

何か、問題解決のお手伝いが出来るかもしれませんので……

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