池本身上監護事務所ブログ
2016.06.01
無駄な貯金はしていませんか?(障がいのある方の場合)
こんにちは。
今日は、「無駄な貯金をしていませんか?」の2回目として、
障害のある方の場合について、お話しようと思います。
「無駄な貯金」というものは、先日もお話しましたが、
「使う予定、目的の無いお金」の事です。
逆に、「必要な貯金」とは、
「将来に必要になるかも知れないお金」と、
「日々の生活に余裕を持たせられるだけのお金」
の2つです。
この2点が貯金として確保されていれば、
これ以上の貯金は不要であり、
日常生活を脅かす、金銭面での不安は無いという事となります。
知的障害のある方は、
自身でお金(高額)の管理をする事や
高額な支出が少ない事が多く、
さらに、財産(預貯金)の管理を第3者の任せている場合が
ほとんどですので、日常的に無駄な支出は抑えられている状態にあります。
財産を管理している第3者には、
家族、成年後見人、入所施設などが考えられますが、
いずれにしても、
利用者本人の不利益になるような支出については、
支払いを行う事はありませんし、
多少の贅沢や出費についても
経済的虐待にならないレベルで、
しっかりと対応して下さっていますので、
利用者自身の財政が破たんする事は考えられません。
しかし、第3者はあくまでも管理をしているだけであって、
利用者本人が、強硬的に無駄な支出をしたいと、
強く意思表示をした場合、要求をはねのける事は出来ません。
その支出が一般的な事例に照らし合わせて考えても、
無駄な支出(無駄遣い)であったとしても、
それは利用者本人にとって、
重要であったり、必要なものであるかもしれませんので、
絶対に駄目だという判断を下す事は、
第3者には出来ません。
このような難しい判断をする場面で、
財産(預貯金)が多い方であれば、
細かい計算などをしないでも、大丈夫なのですが、
あまり預貯金の無い方が、同様に要望をされると、
しっかりとした計算を行う必要がでてきます。
ここで問題となってくるのは、
知的障害のある方の多くは、
「一度欲しいと思った物を、我慢する」事が苦手です。
誰でも欲しい物を我慢する時には、
強いストレスを抱え込みますし、
欲求を満たす為に、打開策を考えたりするのですが、
知的障害のある方は、
我々以上にストレスを強く感じたり、
自身で打開策を見つける事が困難な場合が多い為、
我慢をお願いするには、相当の労力を費やす事となります。
第3者が、この労力を惜しむか惜しまないかで、
この利用者様の預貯金残額は大きく変わってきます。
労力を惜しまなければ、無駄な支出は無くなり、預貯金は守られますが、
労力を掛けない場合には、預貯金残高は減っていくだけでなく、
利用者様「我慢をしてくれなくなりますので、
状況は一層厳しくなっていくと思われます。
「我慢」を強いると言う事は、かなり難しい事なのです。
また脱線してしまった上に、長くなってしまいましたので、
続きは次回と言う事でお願いします。
次回は「貯金の使い道について」考えていこうと思います。